声が出なくなった私が、小さな一歩で取り戻したもの

目次

🗣️ 1. 言葉が出なくなったあの日から

上場企業で働いていた頃、Oさんという先輩社員からの無視や舌打ちなど、毎日のように精神的な圧を受けていました。
最初は「ちょっと感じが悪いな」くらいに思っていたのですが、ある時から電話で「○○株式会社です」と名乗ることすらうまくできなくなってしまいました。
声が詰まり、出だしの一言がどうしても出ない。そんなこと、入社当時はなかったのに。
自分の中で何かが壊れてしまったような気がしました。

💭 2. 誤解される怖さと自分へのダメ出し

発声の不調は、ただ「声が出ない」というだけではありませんでした。
「ありがとう」「お疲れ様でした」といった、日常のちょっとした挨拶すら言えないと、自分が“変な人”に見られるのではないかという不安がつきまといました。
本当は心の中ではちゃんと感謝しているのに、それを伝えられない。
そのもどかしさから、自分を責めるようになっていきました。
「なんでできないの?」「ちゃんとしなきゃ」——そういう言葉で自分を追い詰めてしまっていたんだと思います。

🔄 3. 頑張りたいのに頑張れない、心と体のギャップ

気持ちは前向きなのに、体がついてこない。
そんなギャップに苦しみました。特に週末が近づく金曜日の午後は、ひどく声が出にくくなり、「また今日も電話が怖い…」と感じてしまう。
体が疲れていると、発声も悪化する。
悪循環の中で、「頑張らなきゃ」と思うほど、何もできなくなっていく自分が本当に情けなかったです。

🌟 4. 自信を取り戻すためにやってみたこと

完全に克服したわけではないけれど、自分なりの「付き合い方」を覚えました。
母音が先頭に来る言葉は特に言いづらいと気づいてからは、「…りがとうございます」「…つかれさまです」と、あえて最初の音を省いてごまかすようになりました。
他人には違和感がないようで、「むしろその方が自然だよ」と言われたこともあり、少しだけ気が楽になりました。
また、発声に関係ないところで小さな成功体験を積むようにしました。机を整える、朝早く起きる、経理の仕訳を一発で決める——
「できた自分」を見つけてあげることで、声が出なくても「私には価値がある」と思える瞬間が増えていきました。

📬 5. 今も悩んでいる誰かへ

吃音や発声障害は、見た目には分かりづらい分、なかなか理解されにくいものです。
でも、あなたがいま苦しんでいることには、ちゃんと意味があるし、それがあなたのすべてではありません。
無理して治そうとせず、少しずつ「付き合う」ことを意識するだけで、ずいぶん心が軽くなるかもしれません。
そして何より、自分を責めないでほしいです。
もし、この記事が少しでも心を軽くするきっかけになったら——私はとても嬉しいです。

✍️ 次回予告

次回は、会社の外でまで追い詰められた日々と、ある人物との再会がもたらした転機についてお話しします。

「心が壊れた私の再生ストーリー」、引き続きお楽しみに。

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