43歳、一部上場企業からの転職。見栄えよりも、私が選んだ「働き方」

過去の職場体験記


目次

「一部上場企業を辞める」という決断

かつて私は、決して有名ではないけれど、安定した一部上場企業で働いていました。世間から見れば「ちゃんとした会社」に勤めていると言われるような環境。 それでも、私は43歳のときにその会社を辞める決断をしました。 自分の中ではずっと「ここに居続けるのはもう限界かもしれない」と感じていたのです。

43歳の転職、不安と周囲の声

でも、年齢のことが気になりました。43歳で正社員として転職できるのか? 周囲の反応も正直厳しかったです。「その年齢なら、派遣が限界じゃない?」「パートも視野に入れた方がいいよ」といった声も耳に入りました。 私自身も内心では、「きっと派遣でも厳しい。次に働くならパートかな…」と弱気になっていたのです。

転職サイトに登録してみた日

そんなある日、ふとYouTubeを流していたら、転職サイトの広告が目に入りました。 「あれ?最近CMでもよく見るな」と思いながら、ぼんやりと広告を見ていた私。 するとふと、「年齢は高めかもしれないけど、一部上場企業にいた経験って見栄えするかもしれない」と思ったのです。 思い切って、ダメ元で転職サイトに登録してみました。

それからは、本業の合間にスマホで求人情報を見る日々。 休憩時間には、転職サイトの担当者からの連絡を心待ちにしました。 紹介された求人にはすぐに応募し、どんどん面接日程を組みました。 有給休暇もそれまでほとんど使ったことがなかったので、「子どもの学校の用事」と言って申請し、面接に出かけていました。 気持ちは前向きで、どこかワクワクもしていました。 職場の中でも信頼しているごく少数の人にだけ、「実は今、ちょっと…」とこっそり伝えていたのも、少しのドキドキと期待が入り混じった時間でした。

新しい職場との出会い

5社ほど面接を受けた中で、こちらから辞退した会社もあれば、不採用だったこともありました。 最終的に、ハローワークで見つけた「看板デザイン会社」への転職を決めました。 勤務地は自宅から隣駅で、通勤時間は30分もかからない。 勤務時間も、前職より45分短縮。月収・賞与もこれまでと大差なく、条件としては申し分のないものでした。 仕事内容は、官公庁への申請書類作成や、会計入力など。 今まで経理職としてバリバリ働いてきた自分にとっては、「経験を活かせる職場だ」と思えたのです。

静かな始まり、そして1年後

その会社は、社長を含めて事務所にたったの3人。私が入って4人という、とても小さな会社でした。 以前の職場では、Oさんや「大お局様」など、複雑な人間関係に悩まされてきた私にとって、この小さな組織はとてもありがたく感じました。 静かに、でも確かに、自分の居場所を見つけたような気がしたのです。 けれど、まさかその1年後に「人生初のうつ病」を経験することになるとは、このときはまだ知る由もありませんでした。



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