Oさんの機嫌を伺いながらの日々は、気がつけば4、5年も続いていた。
もちろん、それなりに普通に過ごせる日もあった。でも、正直楽しかった記憶はほとんど残っていない。
大量に押し付けられた仕事をこなすため、お昼休みは15分あれば良い方。
会社は基本的に残業禁止だったし、私も子どものために早く帰宅したかったから、自然とお昼休みまで仕事に充てるようになっていた。
Oさんが先にお弁当を食べ始めると、私は背を向けられ、周りの男性と楽しそうにおしゃべり。私は完全に蚊帳の外だった。
少ないお昼時間でお弁当をかきこみ、外で電話をかけることもあった。
唯一、心のよりどころだったのが、家族の存在だった。
当時はコロナ禍で、主人や子どもが家にいることが多かった。私の状況を知ってくれていたのは、家族だけ。家族だけが応援してくれていた。
会社の人たちは、私の心の叫びに誰ひとり気づいていなかった。
そんなある日のこと。
いつものように、私は一秒でも早く帰ろうと足早に会社を出た。
すると――
「ねぇ、ちょっと!」
背後からOさんが追いかけてきた。
「パートの人と私の悪口言ってたでしょう?」
そう言って、睨みつけられた。
悪口なんて言っていない。仕事のあと、ちょっと世間話をしただけだった。
それなのに、なぜ会社の外まで来て、こんなことを言われなきゃいけないの?
私はゾッとした。
この人、ここまで私を追い詰めるつもりなの?
このままエスカレートしていったら…家族にまで何かされるんじゃないか…。
その瞬間だった。
私たちの横を、支店長が何も言わずに通り過ぎていった。
――ここから、私の人生が大きく動き始める。
【次回へ続く】
誰にも言えなかった孤独な日々。
「私が悪いのかも…」とずっと思い込んでいた。
でも、今になって思う。「いじめには、構造がある」と。
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