「お疲れさまぁ」
定時、退勤の時間。
支店長が私たちの横を通り過ぎようとしたとき、私は反射的に声を出していた。
「店長、店長、待ってください。Oさんと二人にしないでください!」
驚いた顔をするOさん。
けれどもう、私は止まれなかった。止まってはいけなかった。
「私の話を聞いてください。助けてください。」
支店長は一瞬戸惑いながらも、私の異変に気づき、足を止めてくれた。
長く押し殺してきた感情が、そこで一気にあふれ出した。
「Oさんと二人にしないでください。もう限界です。今まで我慢してきましたが……」
堪えてきた思い。
それでも職場の空気を乱さないように、自分が我慢すればいいと思い込んできた。
でももう、それでは家族まで巻き込んでしまうかもしれない。
そんな不安に、とうとう心が悲鳴を上げた。
気づいたら、涙がぼろぼろこぼれ落ちていた。
「分かった。話を聞くから、事務所に戻ろう。」
そう言ってくれた支店長の言葉は、神様の声のようだった。
その場にいたOさんは、ばつの悪そうな顔で私を一瞥し、「明日、私の話も聞いてください……」とだけ言い残して帰っていった。
その後、私は事務所で支店長に、これまでOさんにされてきたことを全部話した。
二人きりのときの無視、舌打ち、冷たい態度。
なのに、他の人の前では優しいフリをして、私だけが被害者であるようには見えない構図。
誰にも言えなかった。
みんなOさんのことを好いていると思っていたから。
自分だけがおかしいのかと、ずっと自分を責めてきた。
話を聞き終えた支店長は、こう言ってくれた。
「事務所のみんな、Oさんのこと別に“好き”とかじゃないよ。普通の同僚って感じ。
それよりも、仕事をちゃんとやってくれてるかねさやさんに、ずっといてほしいって思ってるよ。」
——その瞬間、
心の奥にかけられていたOさんの“催眠”が、すっと解けていくのを感じた。
人生をガラリと変える「帰宅後ルーティン」|夕活 タイムマネジメント 時間術 時間管理 習慣 ナイトルーティン ルーチン 時間 効率化 使い方
📘 店長を引き止めて、人生をガラリと変えた私のおすすめ
Oさんとの関係に終止符を打てたあの日から、少しずつだけど自分の時間を取り戻せるようになった。
でも、心ってすぐには整わないんだよね。家に帰っても、反芻思考で眠れなかったり、無駄にスマホ見て夜が終わったり。
そんな私が、夜の過ごし方を見直して本当に良かったと思えた一冊。
コメント