朝、目覚めて窓の外を見た時に、「今日も穏やかな一日が始まる」と思える。
出勤の支度をして、家を出る。すれ違うご近所さんと挨拶を交わし、気持ちの良い風が通る道を歩く。
それだけで、心がふっと軽くなる。
今、私は“普通の毎日”の中で、ちゃんと呼吸ができている。
今の会社に入って、もう数年が経つ。
朝はゆっくりめに出社し、定時で帰れる。上司も同僚も優しくて、仕事はきちんと評価してくれるし、困った時は自然と「大丈夫?」と声をかけてくれる。
本当に、ありがたい環境だと思う。
そして、今の私にとっては、それがどれほど“奇跡のようなこと”かというのを、誰かに伝えたくて、こうして文章を書いている。
「何か特別なことをしてきたわけじゃないんです。ただ、静かに生きたいだけなんです」
何度、そう思ったことか分からない。
私は今、経理の仕事をしている。数字と向き合うのは好きだし、こつこつと積み上げていく仕事のリズムも心地いい。
目立つタイプではないし、社交的でもない。でも、少しずつ積み上げてきた経験が、今の生活につながっているのだと思っている。
ただ、ここまでくるのに——本当に、長かった。
かつて私は、「人の優しさ」だと思って信じた言葉に裏切られ、
「自分が悪いんだ」と思い続けながら、息もできない毎日を8年近く過ごした。
その間、心も身体もボロボロになって、吃音(きつおん)に悩まされたこともある。
言いたい言葉が喉で詰まり、「ありがとう」すら言えなくなる。
仕事中に電話に出るのが怖くて、何度もトイレで泣いた。
それでも、「きっと明日は変わるはず」と信じて、がんばってしまう。
それが私の癖だった。
誰かに「もうやめていいよ」と言ってもらうまで、自分では止まれなかった。
でも、今は違う。
目の前にいる人を疑わずに話せて、
頑張らなくても「そこにいていい」と思える職場がある。
私にとっては、それが何よりの救いだった。
このブログでは、そんな私の過去の出来事を、少しずつ綴っていこうと思っている。
同じように、「誰にも言えない苦しみ」を抱えてきた人にこそ読んでもらいたい。
そして、「今が苦しくても、ちゃんと出口はあるよ」と伝えられたらと思う。
私は特別な人間ではない。
ごく普通の母であり、働く主婦であり、気の小さい人間だ。
でもそんな私にも、辛い時期があった。だからこそ、誰かの心に寄り添えるかもしれないと思っている。
どうか、これから少しずつ綴っていく物語を、読んでもらえたら嬉しいです。
次回は、「私の人生を大きく変えたある一言」について、お話しします。
👉【次回予告】
「かねさやさん、良い人だから、一緒に働きたい」
その言葉が、私の運命を大きく変えていく——。
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